アダストリアに見るサステナブルファッションの現在地と選ばれるアパレル企業の未来像

油浅 健一
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サステナブルファッションの真のゴール

 持続可能なファッションは、突き詰めれば地球に生きる人間の生活に無理なく、自然になじむファッションといえるだろう。そうなれば、おしゃれの定義も変わってくる。これまでは個性をわかりやすく表現するアイテムだったアパレルだが、これからは、製造の背景にあるこだわりやストーリまでを包含した製品であることがより評価される。

 製造プロセスで、原料やそれを栽培する労働者にまで配慮する製品を着用していることも含めた姿勢が「かっこいい」ーー。事実、業界、そして消費者にとっても、そうした価値観が少しずつ、浸透し始めている。

 アパレル産業に到来したパラダイムシフト。そういっていい、サステナブルファッションという一大潮流。そこに調和するための取り組みの数々は、突き詰めれば「選ばれる企業」への変態のために他ならない。今後、海外への積極展開も見据える同社にとって、グローバルスタンダートへのキャッチアップは至上命題でもある。

 実現へ向けた、数値目標や達成期限も明確に定めているが、真のゴールは、そこではないはずだ。社会全体が「持続可能なファッションこそおしゃれ」、そう認識した、その時だろう。

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