元アダストリアCFOが手掛ける高級レディースブランド「エレメントルール」急成長の理由

堀尾大悟
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45もの多種多様なファッションブランドを擁し、国内アパレル市場では3位の売上高を誇るアダストリアグループ(東京都/木村治社長)。「グローバルワーク」「ニコアンド」などカジュアルブランドのイメージが強いが、その中にあって高価格帯のレディースブランドに特化し、異彩を放っているのが子会社のエレメントルール(東京都)だ。2024年3月にアダストリアでCFO(最高財務責任者)を務めた金銅雅之氏が代表取締役社長に就任。2025年2月期の売上高は対前期比12.8%増の125億円と大きく伸長した。独自のブランド路線を追求しながら進化を続けるエレメントルール。金銅氏に同社の各ブランドが支持される理由と、コロナ後の停滞期を抜けてV字回復を果たした要因を聞いた。

ハイエンドマーケット開拓を目的に設立

 エレメントルールが展開するブランドは「カオス」「カレンソロジー」「バンヤードストーム」「バビロン」「ブリル」の5ブランド(2025年5月現在)。いずれも高価格帯のレディースブランドで、銀座や青山、表参道など都心の一等地に店舗を構える。業態としてはセレクトショップだが、取り扱う商品の約7割はオリジナルブランドだ。顧客層は購買力のある30~40代の女性が中心となっている。

 「マルチブランド・カテゴリー」を標榜し、45ものブランドによるポートフォリオ戦略を推進するアダストリアグループ。中期経営計画2030では「マルチカンパニー」となることを掲げ、2017年に設立した子会社のエレメントルールについては、新規市場や新カテゴリーを開拓する高価格帯ブランドに位置付けて事業を推進している。

 もともとアダストリアで展開していた「バンヤードストーム」と、M&Aで買収した「バビロン」の2ブランドを新会社に移管する形でスタート。その後、2018年に「カレンソロジー」「カオス」の2ブランドが、直近の2023年には「ブリル」が加わって現在の5ブランド体制となった。

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