アダストリアに見るサステナブルファッションの現在地と選ばれるアパレル企業の未来像
アダストリアの取り組み
そうした中、アダストリアは2014年から持続可能なファッションを実現するための具体的なアクションを開始。2022年には、統合報告書の中でアップデートしたサステナビリティ方針と目標を掲げている。同報告書は、同社のサステナビリティの取り組みを余すことなく公開する決意表明書であり、重点課題に対する進捗状況をガラス張りにするものだ。
その中で、KPI(重要業績評価指標)に「2030年までに全商品のうち半分以上をサステナブルな原料・加工へと切り替える」「2050年カーボンニュートラルの実現」を設定。サプライチェーンも含め、温室効果ガス排出量の算定など、定量的な検証を強化したことを報告している。
他にも「グループ調達方針」を定めるなど、取引先との間で人権の尊重や環境配慮などの基準についても取り交わしを行なっている。さらに、「衣料品在庫の焼却処分ゼロ」も目標に設定し、グループの流通網を最大限に活用し、ファッションロスの最小化に努めていることを報告している。
これらは、原料調達から販売まで、自社で一貫して対応する体制が整っている同社だからこそ可能な先進的取り組みといえる。