2席の予約確保に40万円?飲食業界震撼の新サービス「食オク」とは
食オク誕生の背景にある業界の深刻な課題とは
そもそも山澤氏が同サービスを始めたきっかけは、飲食業界の課題解決のためだという。というのも、飲食店の売上は当然ながら客単価と席数、回転数、営業日を掛け合わせた数字で、それ以上は望めない頭打ちにある。
そもそも他業種と比較して平均年収は低く、近年が原材料・人件費の高騰に直面している。その反面、頻繁に値上げできない難しさも滲む。何より「日本の高級店」が世界レベルで見れば、「屈指の安さ」と言われるなか、日本の飲食店が仕入れ競争で敗れて、原材料の品質が劣ることを山澤氏は懸念した。
そこで飲食店が新たな収益を確保できる仕組みをつくることで、これら問題の解決をめざした。
また売上の一部を、一次産業など食文化の発展に関わる非営利団体に寄付し、食文化の発展に貢献するとしている。
こうしたコンセプトに対し、「実態は食オクがほとんどの席を抑えてオークションにかけ、転売しているのでは」という声も挙がった。
それに対して食オクの解答は「あくまで飲食店から昼と夜の間の席や休みにするはずだった席、キャンセルが出た席などを提供してもらい、その席をオークションにかける」というものだ。
また以前から予約の転売が横行しているのにもかかわらず、飲食店には一銭も入らないことやお金を出しても特別な日に特別な店へ行きたいニーズがあると考えて始めたサービスだと話した。