相鉄線沿線の駅周辺や「駅ナカ」への出店を進める=相鉄ローゼン伊藤英男社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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今期13店舗の改装を実施
売上アップ着々

10年10月に改装オープンした「そうてつローゼン港南台店」10年10月に改装オープンした「そうてつローゼン港南台店」。相鉄ローゼンの売上げ2番店で、改装後の年商は、改装前の7~8%増の50億円を見込む

── 一方、店舗戦略としては、10年10月改装オープンの港南台店をはじめ、店舗改装を積極的に推進しています。

伊藤 なかなか新規出店できる環境が整いませんから、店舗改装を急ピッチで進めています。09年4月以降では23店舗の改装を実施済みで、10年度は、すでに改装済みの店も含め、13店舗を改装しました。港南台店では改装前に比べて7~8%の売上増を見込んでいますが、多くの店で改装による売上アップに成功しています。

──改装のポイントは何ですか?

伊藤 まずはお客さま目線の売場づくりです。次に全面的な売場改装をすると投資コストが膨大にかかるので、店内レイアウトの見直しやゾーニングの変更を行い、できるだけ低い投資で最大のリターンが得られるように工夫しています。たとえば当社の店には、店舗規模と比べて過剰な面積のサービスカウンターを設けている店がいくつもありました。

 そこでサービスカウンターの規模を適正化し、それによって得られたスペースを催事コーナーに転換しました。人員もレジのチェッカー業務と兼任することで人時を効率的に減らすなどして、新たな売場スペースのねん出と売場運営人員の削減の両立を実現しました。

──知恵を絞って、売上拡大に向けた改装をしているわけですね。店舗改装の一方で、不採算店舗の閉鎖はひと段落したのでしょうか?

伊藤 賃貸借契約の満了に基づいて、10年度上期に「川崎パレール店」、下期に「用田店」を計画どおりに閉鎖しました。今後も賃貸借契約の条件等を勘案しながら、各店ごとの状況に応じて判断していきます。

──新規出店はいかにして進めていきますか。

伊藤 新店を出店すると社内の士気も高まりますから、その意味でも新規出店はしていきたいです。出店エリアは基本的に相鉄線沿線の駅前や駅ナカを模索していきます。たとえば東急東横線とJR線と相互直通運転を開始するに当たり、新たな駅舎の建設や改装が行われます。その際に駅ナカへの出店ができるよう、相鉄HDに働きかけをしています。まだ具体的な案件はありませんが、できる限り早く実現したいと思います。

 今後の新店の店舗面積については、駅前や駅周辺の物件の場合は300坪を標準規模に考えていますが、駅ナカ物件の場合は70~100坪ぐらいのコンパクトな店舗になるでしょう。そういった小型店の場合も、きっちりと生鮮4品を品揃えし、お客さまに便利に使っていただける店づくりを行います。当然、店内に生鮮品の加工場を設置することはできませんから、近隣店舗で加工した生鮮品を運び入れたり、アウトパック対応で品揃えすることになるでしょう。具体的にどのようにして駅ナカ店舗を実現するかは今後、社内で検討を進めていきたいです。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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