人時生産性を改善しながら付加価値のある売場をつくりだす=原信ナルスHD 原 和彦 社長
政府に対しては新日本スーパーマーケット協会(横山清会長)、日本スーパーマーケット協会(川野幸夫会長)、オール日本スーパーマーケット協会(荒井伸也会長)が合同で全頭検査の申し入れをしており、早期に実現されることを願っています。新潟県では8月1日より県内から出荷される牛の全頭検査を開始しました。迅速な判断として評価しています。
──放射能に対するリスク管理として、どのようなことを実践していますか。
原 地元の国立長岡技術科学大学にお願いをして、講師を派遣していただき、研修を実施しました。放射能に関する正確な知識を取得できたので、お客さまに対して安全性をきちんと伝えられるようになりました。ただ、お客さまの不安が続くようであれば、検査体制の強化を検討する必要がでてくるかもしれません。放射能問題以外でも、品質安全室によるPB(プライベートブランド)商品の安全性の確保や、生鮮作業室の衛生管理の徹底に取り組んでいます。
高質感のみに偏らず
ふだん使いにこだわる
──昨年3月、長岡市内に「原信 美沢店」を開業したのを皮切りに、新たなMD「ニューコンセプトパート2」を実践しています。進捗状況はいかがですか。
原 「豊かで楽しい売場づくり」をテーマにミールソリューションに力を入れた食卓提案型の売場づくりを行ってきました。これが「ニューコンセプト」の考え方です。美沢店ではさらに進化させて、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を大胆に取り入れた新たな売場づくりに取り組んでいます。開業から約1年半が経過しましたが、予算をクリアしています。周辺には自社の店舗が多く、自社競合が予想されましたが、既存店の落ち込みは想定の範囲内でした。美沢店と既存店舗を使い分けしているお客さまもいて、エリアのシェアは高まっています。
──社員が色彩士資格を取得するなど、VMDへの積極的な取り組みが目立っています。
原 ビジュアルに関する意識はこの1年間で急速に高まり、社員自ら売場の演出を考える土壌が生まれてきました。節電対策の一環として、売場でメリハリのある照明を導入するときにも、社員は積極的に考えてくれました。きれいにまとめて、買物が楽しくなる売場の管理能力は確かに向上しました。反面、本来持っていた売場の力強さや迫力が少なくなったことも事実です。見た目の華やかさや高質感に目を奪われてしまったきらいもあるように思っています。