コロナを機にキッチンカーが急増の理由とは
移動型ダークストアも登場間近か?
未来の料理人の選択肢にもなってきている
現在、メロウの登録車数は、前年比41%増の1609台(2022年4月現在)。業態はうち9割が飲食だ。また出店場所を提供する空き地の保有者は、不動産デベロッパーからゼネコン、学校、政府機関など多業種に広がっており、前年比50%増の全国624箇所(2022年4月現在)と伸長する。
そして全国各地の調理師専門学校では、将来有望な飲食業態として、キッチンカーでの演習が授業に組み込まれる例が増えており、メロウも授業を担当する機会が増えている。こうした教育機関での注目の高さから今後もキッチンカー をはじめとする店舗型モビリティは増えるだろう。
「モビリティの可能性はまだ未知数。各業種に対し、どうしたら成立して利益を出せるか、丁寧にコンサルして多くの成功例をまずは作りたい」(森口氏)と前置きした上で、今後、同社は収集するビッグデータを活用し、商品開発や配送ロジックの改善を行うなどして、街に継続的な変化をもたらせる事業を展開するという。
注目のダークストアも移動型に!?
そうした街の変化の一つに、小売・流通業界と関係のある興味深い動きがある。それは某社とテスト中だという移動型のダークストアだ。「ダークストアの需要が過密する首都圏エリアは、倉庫の地代家賃も高い。そこで注文が集中する夕方などだけ、商品を積んだトラックを一定時間、提携する首都圏エリアの空き地に停め、そこを拠点にデリバリー配送する試みを行っています。まだ採算性を含めて試運転中ですが、注目しています」(森口氏)
このように同社が提供する店舗型モビリティが、必要なサービスを必要な時間だけ、必要な場所へ出向いて提供する、“動くハコ”だと考えると、可能性は計り知れない。
空き地活用、集客、地方創生、そして自店では賄えない商品やサービスを必要な時だけ提供できるなど、店舗型モビリティが街にイノベーションと豊かさをもたらせている。