楽天、Uber Eats Japan提携の衝撃と資本提携の可能性は?
楽天とUber Eats、資本提携の可能性は?
コロナ禍でフードデリバリーの利用数は増加しており、日本においても次々と事業者が参入している。楽天も、ぐるなびと提携するデリバリー事業を行っており、21年7月には「楽天ぐるなびデリバリー」を開始。21年3月時点で利用可能店舗数約5万5763店舗、ユーザー数455万人を超えるサービスとなっている。
会見では「『楽天ぐるなびデリバリー』でもデリバリー事業を行っているが、Uber Eatsとの提携を決めた理由は」という質問も飛び出した。松村氏はこれに対し「今はユーザーのみなさまにフードデリバリーというサービスを体験してもらうフェーズにあると考えている。(今回の提携により)市場がより拡大すれば、我々がかかわるサービスが利用される機会も増えるという判断」と説明した。
フードデリバリー市場全体を見渡すと、ソフトバンクグループの影響力が非常に強いことが分かる。同社はUber Technologies、アメリカ最大手のDoorDashに出資しているほか、日本でも大きなプレゼンスを誇る出前館は傘下のLINEが資本関係にある。
武藤氏に対して、「楽天との提携で、(株主である)ソフトバンクとのコンフリクト(衝突)はないのか、また楽天との資本提携に発展することはないのか」という質問があったが、「今回の楽天との提携は、双方にとってメリットがあるもの。株主にとってもメリットがあると思っている。資本提携については、現時点ではその可能性はない」と話した。
日本能率協会総合研究所によると、2022年度のフードデリバリー市場は約3300億円となる見込みで、2025年度には4100億円まで拡大するという。日本でも多くの企業が参入し熾烈な争いを見せるが、フードパンダ(Food Panda)を運営していたデリバリーヒーロー・ジャパンは、22年1月にサービスを終了するなど、撤退するプレイヤーも出てきた。
Uber Eats Japanと楽天の今回の提携により、両社にどのようなシナジーが発揮されるのか、注目である。