そごう・西武、イトーヨーカ堂のゆくえを井阪社長が言及! セブン&アイ2022年決算解説
縮小続くイトーヨーカ堂の未来は
一方で、イトーヨーカ堂については、「22年度(23年2月期)中に構造改革にメドをつけ、次年度以降は新たな成長ステージにしていく」と井阪社長は述べている。
セブン&アイは「中期経営計画」の中で、食品事業を戦略的な成長領域と位置付け、その強化を図っていく方針を打ち出している。そしてその中ではイトーヨーカ堂が有する産地把握、商品調達、生産管理などの知見が不可欠であるとし、「イトーヨーカ堂を中心としたスーパーストア事業とコンビニ事業がグループ内にあることが将来の成長に資する」(井阪社長)と、売却は考えていないことを強調した。
今後のグループの事業方針では、国内外のコンビニ事業の連携により利益成長を加速させるとし、セブン-イレブン・インクについては昨年買収した米スピードウェイとの統合シナジー発揮に力を入れる。セブン-イレブンとの連携によるバリューチェーンの構築、PB商品やフレッシュフードの拡充、レストラン事業拡大などにより、セブン-イレブン・インクでは25年度まで年平均の純利益成長率20%超を見込む。
そのほかグローバル戦略としてセブン-イレブンとセブン-イレブン・インクとの共同出資で7-Eleven International LLC(セブン-イレブン・インターナショナルLLC)を21年に設立。詳細なロードマップは今後公表するとのことだが、30年度までに全世界30の国と地域での事業展開をめざすとしている。
株主に向けたメッセージで掲げたとおり、「世界トップクラスのグローバル流通グループ」になるべくアクセルを踏み込んだセブン&アイ。グローバルリテーラーをめざす中では、そごう・西武やイトーヨーカ堂などグループ内で燻る事業会社の行方がやはり焦点になりそうだ。