ヨーク×OniGOが 注文から最短10分配送を開始 食品宅配サービスにおける革新性とは

2022/03/31 05:55
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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    専用アプリをスキャンで
    商品をダブルチェック

     昨今、ネットで受注した商品を30分程度で即時配送するクイックコマース(Qコマース)が台頭している。デリバリープラットフォームサービス「Wolt」をはじめ、食品小売業と提携して生鮮食品の配送に取り組む企業も現れている。
    そんななかヨークが協業先にOniGOを選んだ理由の1つに「商品のピッキングシステムが優れている」(ヨーク執行役員首都圏戦略室長 の伊藤 弘雅氏)という点を挙げる。

     西馬込店での商品のピッキングシステムの流れはこうだ。同店では、商品のピッキングを行う「ピッカー」と、商品を配送する「ライダー」が、それぞれバックヤードに常駐している。

     ピッカーは作業時、従業者向けアプリをインストールしたスマホ端末を腕に、商品をスキャンするスキャナーを指に装着しピッキングする。ピッカーはアプリ上の商品画像を目で見て、さらに商品スキャンによる認証のダブルチェックにより誤配送を防ぐ。

    ピッカー
    従業者向けアプリをインストールしたスマホ端末と、商品をスキャンするスキャナー

     アプリ上には、受注した商品が効率的にピッキングできる導線順に並ぶ。また、在庫連携システムにより、ピッカーがレジを通過しなくてもよいようにしており、これらの工夫により短時間配送を実現している。在庫連携は1時間ごとに行い、可能な限り欠品も防ぐ。

    アプリ上には、受注した商品が効率的にピッキングできる導線順に並ぶ
    アプリ上には、受注した商品が効率的にピッキングできる導線順に並ぶ
    商品スキャンによる認証のダブルチェックにより誤配送を防ぐ
    アプリ上には商品画像も表示され、商品スキャンでの認証を合わせたダブルチェックで誤配送を防ぐ

    アプリ上で
    付加価値商品を提案

     OniGOの梅下直也社長は、商品を短時間で配送する以外にも、小売企業側に価値を提供できるという。具体的には、売場で埋もれてしまっている商品や、ヨークがとくに販売を強化したい商品を、注文アプリ上で訴求し販売につなげる。取材日は、西馬込店が付加価値商品として提案に力を入れている冷凍スイーツを、アプリのトップページで訴求していた。

    付加価値
    販売に力を入れている冷凍スイーツを、アプリのトップページで訴求し付加加価値を伝える

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    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

    最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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