ホテル、スイーツ、レストラン…もはやアパレルではない「ワールド」
通常のコンサルとの違いは「実現力」
洋菓子の「ゴディバ」「シャトレーゼ」、ライフスタイルショップの「田ノ実」(仏壇・仏具業界最大手はせがわの新会社が運営)など、飯田氏が推進するプラットフォームサービスを提供した企業数は、直近1年でグループ各社が主体的に成果を挙げ、1,300社以上に上る。その数もさることながら、目を引くのは業界の多種多様さだ。
「クライアントの7割以上が異業種。特に食品、レストラン、ホテルが多い」(同)。
これまでアパレルブランドを中心に多数の店舗開発・運営を自社で行ってきたワールド。アパレル企業ならではの感度の高い店舗設計や高品質な接客応対のノウハウは、飲食やホテルなどの異業種とも高い親和性があり、アパレルの枠を超えてスタイリッシュな店舗を次々に生み出している。
チョコレートなど菓子製造・販売の「ゴディバ」も、ワールドのノウハウに信頼を寄せる企業の一つ。国内にある約360店舗のうち36店舗の運営を同社に委託しており(2021年12月現在)、その数は今後も増える見込みだ。アパレル小売の現場で培った応対接客や店内スタイリングなどのノウハウが、高級チョコレート売場に新たな価値をもたらしている。
「私たちが通常のコンサルティングと決定的に異なるのは『実現力』」と飯田氏は強調する。
「コンサルティングファームなどではソリューションを提供しても、それを実行するのはクライアント側。一方で、私たちにはこれまで自社で多くの店舗を設計、運営し、失敗と成功を重ねながら内製化してきたノウハウがある。その『生きたノウハウ』があるからこそ、机上のソリューションだけでなく、開店後の店舗運営までフォローすることができる」(同)。