過去最大の営業利益を叩き出すZOZO 「ファッションECを超える」3つの新戦略とは
ファッションを全方位で展開
ZOZOTOWNの一人当たりの年間購入金額は4万2343円。購入者の平均年齢は33.7歳だが、メーンユーザーは20歳前後のZ世代だという。
「澤田(宏太郎 代表取締役社長 兼 CEO)の旗振りのもと、『ファッションを買うならZOZO』というスタンスから『ファッションのことならZOZO』に移行するべく動いている。ユーザーが『ZOZOTOWN』というプラットフォームでファッションにまつわる商品を探しやすいようチューニングしていく」とし、「ピンポイントではなく全方位向けに」と松田氏は付け加えた。
全方位向けとはどういうことだろうか。ファッションと一口で言っても、服、カバン、靴、コスメなど多岐にわたる。客の世代や趣味によって、ファッションに求める質やデザインも異なる。そうした背景から、21年3月に始動したのが、コスメ専門モール「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」と国内外のラグジュアリー & デザイナーズブランドを取り扱う「ゾゾヴィラ(ZOZOVILLA)」だ。
ZOZOCOSMEのデビューに合わせて、ZOZOの強みであるテクノロジーを駆使したフェイスカラー計測ツール「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」を発表したことで、これまでに119万件の予約注文が入るなど話題をさらった。
また、ZOZOVILLAでは、ロエベやクロエといった海外の高級ブランドも取り扱う。これまで日本のECサイトでは、インポート商品の取り扱いが少なかった。海外のECサイトから直接購入する手もあるが、送料も時間もかかってしまう。そうした不便を、慣れ親しんだ「ZOZOTOWN」が解決してくれるのは、ファッション好きにとって朗報だ。