「値下げ合戦から抜け出し『質の競争』へ」ライフ・岩崎高治社長が語った2022年の戦略

2022/01/05 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    BIORAL大阪

    岩崎 商品の完成度、品ぞろえの豊富さ、陳列など食品スーパーの基本をまずはしっかりと押さえることだろう。その上で、健康にフォーカスしたプライベートブランド(PB)である「BIO-RAL(ビオラル)」の商品群を拡大し、コーナーを拡充させ、店舗展開をさらに進めていくことだ。ビオラルにはかなり手ごたえを感じている。

    特にZ世代と呼ばれる20代を中心とした若年層は、消費に対して自分なりの論理を持って、「共感」することを大事にしている。BIO-RALのコンセプトの一つに「サステナビリティ」があり、(この考えにZ世代を中心に共感が広がるため)引き続き伸びていく分野だと考えている。20222月には、首都圏で2店舗目となるビオラルの単独店「ビオラル下北沢駅前店」をオープン予定だ。このほか既存店でも、120店舗を超える店にビオラルのコーナーも差し込んでおり、今後も拡大していく予定だ。

    ――同質化競争から抜け出すために、総菜も1つのカギになる。今後、売上構成比をさらに上げていく考えはあるか。

     岩崎 必ずしもそうは考えない。あくまでライフでしか買えない商品開発を進めていく中、その一つが総菜(という位置づけ)だ。当社では、水産コーナーの中でアジフライを販売したり、畜産コーナーで鶏のからあげを販売したりしているので、どこまでが総菜か厳密には言えない。また、商圏の違いもある。都心の店舗であれば総菜コーナーを充実させていく必要もあろうが、郊外店では、それは当てはまらない。他社で売れている商品のマネをするのではなく、自ら考えて商品を開発することが大切だ。

    当社は、何十年と都心部や大阪市内などバックヤードが狭い環境の中で、競争力の高い売場を構築するためにプロセスセンター(PC)の完成度を高めてきた歴史がある。畜産・鮮魚・農産・総菜・ベーカリー部門のPCの再構築も、現段階でほぼ完了している。今後はPCをうまく活用することで、他社がマネすることができない商品をつくっていきたい。

     

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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