「値下げ合戦から抜け出し『質の競争』へ」ライフ・岩崎高治社長が語った2022年の戦略

2022/01/05 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    ライフコーポレーション(大阪府、以下ライフ)は2021年12月17日、東京本社で年末会見を行った。岩崎高治社長は「結果的には今年もコロナに左右された年になった」と2021年を振り返りつつ、「来年度(2022年度)を『第六次中期経営計画完成の年』と位置づけ、値下げ・ポイント合戦から抜け出す『質の競争』を志向したい」と、抱負を述べた。

    ライフコーポレーション岩崎高治社長
    ライフコーポレーション岩崎高治社長

    内食需要は安定的に推移 BIO-RALの支持拡大に手ごたえも 

    ――サプライチェーン分断による原料価格の高騰が話題だが、小売経営者の中には「以前より(値上げが)消費者に受け入れられている」と話す人も多い。ライフはどうか。

    岩崎 商品の品目ごとに、当然売上の増減(に差)はあるが、全体的に客足は減っていないし、買い上げ点数も減っていない。20222月期第3四半期の既存店売上高も前年比101.5%と堅調に推移している。テレワークの定着もあって、内食需要は好調だ。

    個人的には、行動様式の変化によって一度外食から内食需要へとシフトしたこの流れは、コロナ以前のようには戻らないと考えている。そうなると、引き続き競合する食品スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア、外食のテイクアウトとの競争になると思っている。当然、お客様は安い方が良いと思われるだろうが、小売業界もマインドを変えていかなければいけない。そのなかで当社は、『質の競争』を志向する。付加価値をいかにつけるかが問われる。コロナ前に激化していた値下げ・ポイント合戦に引き込まれないようにしないといけない。

    ――「質の競争」とは具体的に何を指すのか。

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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