「第21回 証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」決定

2015/10/07 00:00
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 2015年10月5日、平成27年度の「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」の結果が発表された。

 日本証券アナリスト協会(東京都/大場昭義会長)の「ディスクロージャー研究会」(許斐潤座長)が1995年から実施しているもの。「業種別」部門では、原則として東京証券取引所第一部上場株式時価総額を基準に選定。小売業では18社が対象となった。

 

 業種別評価基準は、

 ① 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス

 ② 説明会、インタビュー、説明資料などにおける開示

 ③ フェアー・ディスクロージャー

 ④ コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示

 ⑤ 各業種の状況に即した自主的な情報開示

 の5点。

 

 この業種別評価基準(スコアシートに基づき、証券アナリスト経験年数3年以上でかつ現在当該業種担当概ね2年以上のアナリストが評価を行った。

 

 14業種からなる業種別の評価平均点ランキングは、「電気・精密機器」(76.5点)、「銀行」(75.2点)、「商社」(74.7点)、「化学・繊維」(73.8点)、医薬品(73.2点)、「鉄鋼・非鉄金属」(72.9点)、「小売業」(70.2点)、「通信・インターネット」(70.2点)、「石油・鉱業」(69.1点)、「建設・住宅・不動産」(68.1点)、「運輸」(67.4点)、「自動車・同部品・タイヤ」(66.3点)、「電力・ガス」(66.0点)、「コンピューターソフト」(65.1点)。「小売業」、ちょうど真ん中の7位だった(各業種によって甘辛採点あり)。

 

 さて、栄えある「小売業」の第1位に輝いたのは、ローソン(東京都/玉塚元一社長)だ。総合平均点は82.6点で4回連続通算9回目の1位獲得となった。

 

 経営陣のIR姿勢については、決算説明会などで経営トップが経営方針を明確にわかりやすく説明していることなど、高い評価を受けた。

 また、IR部門に、グループ会社を含む情報がタイムリーに集積されており、有益なディスカッションができることに加えて、IR部門へのアクセスの容易性などIR部門の昨日十自治が高く評価された。さらに、ディスクロージャー、IR全体を通じて企業理念・中長期ビジョンを明確に打ち出していることなど、IRの基本的スタンスについても評価された。

 

 説明会などにおいては、決算説明会での説明および質疑応答が十分満足できることが評価を受けた。投資家にとって重要と判断される事項が発生した場合に迅速かつ公平に十分な説明を行っている点も高い評価につながった。また説明会資料などにおける開示が全体的にわかりやすく充実している点も評価。四半期の動向を理解するために必要な基本的な情報を開示しており、とくに第1四半期、第3四半期の資料が充実していることも高い評価を受けた。

 

 フェアー・ディスクロージャーに関しては、経営陣が情報開示につき、公平な機会を与えていることが高く評価された点に加え、英文による情報提供が充実していることが得点率でトップの評価を受けている。

 

 コーポレート・ガバナンス関連においては、資本政策や株主還元策について客観的かつ合理的に説明していることが得点率でトップの評価を受けた。目標とする経営指標などの説明や平均得点率が低水準であったコーポレートレートガバナンス・コードの各項目についての説明も高く評価された。

 

 自主的情報開示においては、評価対象企業の平均得点率がもっとも低水準であった商品展示の見学会や事業戦略説明会を開催したことが高く評価されたほか、統合報告書に業務・戦略・財務目標が明確に記載されているなど、内容の充実が得点率でトップの評価を受けた。

 

 ちなみに第2位は良品計画(東京都/松﨑曉社長)、第3位はJ. フロント リテイリング(東京都/山本良一社長)、第4位はファミリーマート(東京都/中山勇社長)、第5位は丸井グループ(東京都/青井浩社長)と続いている。
 

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