タテ型組織の情報管理になっていませんか?!
最近は、自宅そばにできたA社のドラッグストア2店舗(X店、Y店)を頻繁に使っている。店内に併設された調剤薬局の利用頻度も上がった。
以前は、門前薬局で処方を受けていたのだが、漫然と待つ時間に疑問を抱き、A社の意図通り、その時間を買い物に充てることの便利さを有り難いと思えるようになった。
利用しているうちに気付いたのは、A社は処方した薬品の履歴管理システムを持っていること。しかし、それは個店ごとであり、X店とY店の情報はリンクしていないこと。A社はポイントカードを発行しており、「商品購買履歴」と「処方箋医薬品の支払額」については記録されているのだが、このカードでも薬歴管理はしていないということだ。
「どうしてそうなっているのですか?」と薬剤師の方に尋ねてみたのだが、「わかりません」とのことだった。
この原因は、タテ型の組織にあるものと想像できる。
それというのも、以前に取材したあるペット専門チェーンでも、立派な顧客カードはあるものの、「生体の販売」、「動物病院の通院履歴」、「トリミングの履歴」、「ペットホテルの利用履歴」、「商品購入履歴」…と同社の提供するサービス利用履歴の管理はバラバラで一元化ができていなかったからだ。
その専門店チェーンのトップは、情報を一元管理することで、「ペットとの15年に支出する総額約500万円」の需要を取りに行きたいと抱負を語っていた。
こうしたケースを見ていくと、顧客の情報管理が一元化できていないのは、ドラッグストアやペット専門店チェーンだけの話ではないものと思われる。
はたして、わが社は、タテ型組織の情報管理によって、最終的に顧客に迷惑をかけていないのか、再度チェックしてみたい。
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