酒卸ユニオン〈創SOU〉 売上高1兆円突破!
酒卸ユニオン〈創SOU〉は、酒類専門卸のアライアランス。2005年5月に地域の酒類卸8社、売上総額約6000億円で発足した。
「発足当初は1兆円規模を目指すことが目標だった」と振り返るのは松川隆志理事長だ。
発足から9年。6月5日、イズミック(愛知県/盛田宏社長)が参加を決め、売上総額は念願の1兆円を突破した。
現在の〈創SOU〉は、28社が参加。売上金額1兆685億円、売上総利益648億円、経費598億円、営業利益50億円、経常利益62億円のボランタリーアライアランス集団だ。
このうち酒類卸の売上は8747億円であり、4兆1000億円と言われる酒類卸売市場の21%を占める。国分(東京都/國分勘兵衛会長兼社長)や三菱食品(東京都/井上彪社長)も寄せ付けない、酒類卸売では日本一の規模を誇る。
内訳をみると、和酒2759億円(構成比25.8%)、洋酒1483億円(同13.9%)、ビール類4505億円(同42.2%)、食品1476億円(同13.8%)、その他462億円(同4.3%)と和酒の強みが特徴だ。
ただ、規模だけが日本一であっても意味がないという観点から〈創SOU〉では、競合する卸売業との差別化を図るべくいくつかの取組を進めている。
差別化策のひとつめは、「酒のプロフェッショナル」の育成だ。
利酒師、酒匠、日本酒師範、焼酎唎酒師、ワインアドバイザー、シニアワインアドバイザー、ソムリエ、スピリッツアドバイザー、ウイスキーアドバイザー、ビアテイスター、フードコーディネーター、惣菜管理士、物流管理士、システムアドミニストレーター、販売士・スーパーバイザー、清酒達人などの資格取得を励行。現在、合計2085人がこれらの資格を取得した。
そのさらなる推進を目的に「商品知識テスト」や「ワインセミナー」「通信教育」などを実施している。
2つ目は、物流共同化によるネットワークの構築だ。〈創SOU〉グループの営業拠点総数174か所、物流拠点総数231か所を相互に融通し、リージョナルチェーンやナショナルチェーンに対応している。〈創SOU〉内における物流委託金額は278億円に上る。
3つ目は、商品開発だ。2013年度にはオリジナルワイン12アイテムを開発。「熊野の梅酒マンゴーミックス 500ml」「酒蔵の糀仕込み甘酒 ペット 350ml」などのヒット商品も続々と出てきた。
「2014年度もこれら取組をいっそう進め、組織の充実と拡大を図っていきたい」と勝田美智雄運営委員長は、抱負を語っている。
<酒卸ユニオン〈創SOU〉参加企業>
日本酒類販売、北海道酒類販売、平喜、新潟県酒類販売、福島県酒類販売、鎌仁商店、青森県酒類販売、武田庄二商店、福島県南酒販、細野西蔵、千葉県酒類販売、北陸酒販、喜多本店、飯田、世界一統、泉屋、宮﨑商店、神戸酒類販売、井出商店、広島中央酒販、弘中酒販、ワイネット、山崎猛商店、秋田商店、倉松酒販、佐賀酒類販売、西九州酒類販売、イズミック
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