中内さんの遺した言葉を噛み締める
東日本大震災から丸3年が経過した。
被災地の復興の槌音は、依然、大きくなることはなく、住民にとって長い苦しみはいまだ継続中だ。
しかしながら、私を含む日本国民の大半は、被災者の厳しい毎日とは関係なく、ややもすると震災があったことさえ忘れがちだ。
そこで本日は、2011年3月11日を忘れず、また小売業の在り方を自戒するために、阪神淡路大震災後にダイエー創業者、故中内功さんが、身内に向けて送ったメッセージを紹介したい(文章はそのまま)。
非常時に小売業が何をすべきなのか、改めて認識するとともに、いつか必ず起こる次の災害に備えたい。
From Saiko-Komon 1995.2.4
なくてはならないローソン。
阪神大震災にあたつての、国、県、市レベルの立ち上りは遅かった。
ダイエーグループ。ローソンの対應は地域のお客様にとって、早くしかも的確であった。
街の“ほっと”ステーション
あの水色の看板が倒壊した街並の中で輝いているのを見て、感激した。
被災をうけたオーナーたちも、商人としての誇りと責任をもって、店の再建に日夜、筆舌につくされた努力をしていただいた。今回の災害をバネとして、新生ローソン、なくてはならないローソンへ
From Saiko-Komon 1995.2.11
店そのものが……
今回の阪神大震災において、神戸市民を勇気づけた最大のものの一つにローソンの看板がある。
24時間 街の“ほっとステーション”として輝く、あの水色の清潔感あふれる光は、すべてを失った市民にとって、明日への希望の灯であった。
ロジスチックスも、すばらしかつた。安心を売りつづけた、ローソンの活動は今后の、この国の小売の歴史の中でも特筆大書されるべきであり、オーナーのみなさま方の不眠不休の活躍に“商人道”、おとろえずの感を深くした
From Rijicho 1995.1.26
前を向いて歩こう!
阪神大震災で流科大(流通科学大学)も大きな影響を受けた。被災された諸君に心からお見舞いを申しあげたい。
悲観は気分から生れる。
楽観は意思から生れる。
強い意思をもって、自主・自律の精神を奮ひたたせて、勇猛心をもって、この事態に対処しなければならない。
“禍を転じて福となす”“危機とは新しい機会である”
この度の災害の中で、“情報の大切さ”“流通の大切さ”が、あらためて認識された。前を見て歩きつづけよう。
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