経営者の責任
小誌2013年11月15日号の特集「スーパーマーケット混沌」の記事中にもある通り、日本の多くの食品スーパー(SM)は、同質飽和の渦中にあると言っていい。この成熟市場から抜け出すには差別化か異質化を図っていかねばならないのは、経営者はもちろん、SMビジネスに関わる誰もが考えているところだろう。
では、実際の現場はどうだろうか? あるバイヤーに直近の業務について尋ねてみると、「味や品質で差別化しなければいけないのは分かっている。でもルーチン業務に忙殺され、産地を訪問したり、新しい取引先を開拓する時間がない。残念だ」と下を向いた。
「バイヤーの仕事は、本部で取引先を待つ《蜘蛛の巣型》ではダメで、外に向かって飛び回り蜜を集める《ミツバチ型》であるべき」と言い続けたのは日本リテイリングセンターの故渥美俊一先生だ。
現状把握ができており、問題点も解決策も分かっている事柄に手を打たない責任は、経営者にあると言わざるを得ない。
『チェーンストアエイジ』誌2013年12月1日号
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