自動販売機の可能性

2013/07/01 00:00
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  一般社団法人 日本自動販売機工業会(東京都/尾上広和会長)によると、2012年末における日本の飲料自動販売機の普及台数は256万2500台(対前年比1.3%増)に上るそうだ。実に47人に1台が普及していることになり、恐るべき数字であることが分かる。

 

 では、日本に存在する全自動販売機数は、どのくらいかといえば、こちらは509万2730台だ。

 

 飲料以外の取り扱い商材を挙げていくと、缶詰、ラーメン、ちくわ、氷、アイスクリーム、卵、ケーキ、青果物などの食品はいわずもがな。乗車券や食券、入場券、貸靴券などの券類自動販売機。切手やはがき、証紙を扱っていたり、カミソリや靴下、パンツにティッシュ、生理用品。新聞雑誌、乾電池・玩具、CDやDVD…。コインロッカーや両替機なども509万台の中にカウントされている。

 

 さて、自動販売機つながりで、米国に目を移すと、アトランタ空港で、「BEST BUY EXPRESS」(ベストバイ エクスプレス)なる自動販売機を発見した。米国最大の家電専門店チェーンのベストバイが運営する自動販売機で、出発ゲートの前で、カメラやアイフォンのカバー、ヘッドフォンなど約60アイテムほどを取り扱うというものだ。

 ウォルマートやアマゾンからの低価格攻勢を受けて、防戦一方のベストバイが繰り出した苦肉の策と見ることができ、面白い商売だと単純に感心した。

 

 このアイデアは、日本の小売業にとっても、大いなる可能性があるような気がする。

 ユニクロ(山口県/柳井正社長)がTシャツやエアリズムを自動販売機で売れば、これ以上のファーストリテイリング(=迅速小売り)はないだろう。

 良品計画(東京都/金井政明社長)なら「MUJI to GO」、ニトリ(北海道/似鳥昭雄社長)、カインズ(埼玉県/土屋裕雅社長)…。

 とくに製造小売業化している企業が旅行者向け、その他急を要する場面で使われる商材を一挙にアソートして自動販売機で売ってみるというのはアイデアとしては悪くないように思える。

 

 あっ、もちろん採算についての責任は負いかねます。

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