京風ラーメンの聖地! 天下一品1号店で楽しむ「総本店限定」メニュー

2023/08/25 05:55
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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こってり、ニンニク入りをいただく

 昼前の時間にもかかわらず、満員に近かった。それでも待つことなく、入口すぐのカウンター席に座ることができたのはラッキーだった。

 さて何を食べるか。

 メニューを開いて真剣に検討した後、最終的に決めたのは「温玉豚重定食」(税込1650円)。なんと総本店「限定」である。「聖地」に来て、「限定」をいただく。これほどの贅沢がほかにあろうか。

 周囲を見渡すと、地元の人らしき男性の一人客、カップル、また夏休みだからか、子供を連れたファミリーなど、お客は多様である。わいわいがやがや、活気を感じる。

 壁面には、「天下一品グループ 沿革」と題した年表が見えた。創業から会社設立、フランチャイズ展開開始、50店舗、100店舗達成など、成功の歴史を確認できる。

総本店「限定」の「温玉豚重定食」(税込1650円)を注文した
壁面には、「天下一品グループ 沿革」と題した年表が見えた

 さらに店の奥には、若き日の木村氏の写真、そして毛筆で書かれた「正しい努力」の文字。あぁ、これですよ、これ。象徴的な店の目立つ場所に、この言葉を掲げるとは、創業者は成功すべくして成功したのだと感じたね。

店の奥に掲げられた「正しい努力」。美しい文字だ

 そして私の目の前に定食が置かれた──。もちろんラーメンは、こってりスープ、ニンニク入りである。

私の目の前に置かれた定食がこれだ

 まずはスープから。レンゲに少量をすくって口へ。うん、おいしい!

 天下一品の店舗数は7月下旬現在、東北から沖縄まで221店舗ある。その中、私が今食べているのは、全店舗が“お手本”にする一杯だと考えると感激もひとしおである。スープに続き、麺もいただいたが、最高であるのはいうまでもない。

まずはスープから。レンゲに少量をすくって口へ。うん、おいしい!「こってり」のほか「あっさり」「屋台の味」など、いくつかの種類から選べる

 次に豚丼。普通の定食なら、主役だろうが、ここでは脇役。とはいえ食べるとおいしく、幸せな気持ちになった。

脇役の豚丼もおいしかった

 すべてを平らげた私は満腹になり、しばらく動けなかった。空になったラーメンの鉢に視線を落とすと「明日もお待ちしてます。」との文字。スープが少なくなると、このメッセージが現れる仕掛けになっているのだ。

 大変満足だった。私はぼんやりと「正しい努力」について考えながら、帰りのバスに乗った。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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