阪食、「見える化」の威力

2010/11/17 06:46
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 阪食(大阪府/千野和利社長)は、「高質食品専門館」を続々と出店している。

 

 新店では、2009年7月の千里中央店(大阪府)に始まり、御影店(兵庫県)、住吉店(大阪府)、山科店(京都府)、宝塚山手台店(兵庫県)、淡路店(大阪府)の6店舗。2010年7月からは、既存大型店舗の改装をスタートさせ、南千里店(大阪府)、武庫之荘店(兵庫県)、本山南店(兵庫県)、日生中央店(兵庫県)の4店舗を実施。全店舗が予算や前年実績に対して2ケタ増の快進撃を続けている。

 

 「ライブ感」のある売場演出や、お客とコミュニケーションを持ちながらの「情報発信」、品揃えによる「専門性」を訴求し、食にまつわるライフスタイルを提案することが大きな特徴だ。

 

 その実現に向けて、生鮮食品では対面売場を多用。オープンファクトリー方式で加工工程がお客からすべて見えるようにした。

 そして、この加工工程の「見える化」は、同社に思わぬ効果や副産物をもたらしているという。

 

 ひとつには、お客から見られることで、従業員の手が早くなったことだ。たとえば、今年の「土用の丑の日」に南千里店では、店内で焼く「ウナギのかば焼き」を大々的に販売した。

 それまでの実績を勘案して、開業時間中、1000匹の販売が目いっぱいと試算し計画していたが、締めてみれば1500匹を売り上げた。お客から見られ、目の前に行列をつくられることが従業員の焼くスキルをアップさせたという。

 

 2つには、従業員の機転が利くようになったことだ。売場が従業員からは丸見えであるために、どの商材が欠品しているのか、欠品しそうなのかが、一目瞭然で分かる。それを先回りして、商品づくりに当たるという動きが自然にできるようになった。

 

 また、常時、衆人環視されることは、衛生面の強化、不正の未然防止、しっかりした身だしなみ、などにもつながっている。

 

 「見える化」の威力とは、どんな制度にも上司にも勝るものだ。

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