社史には本当に重要なことは刻まれない
「社史には本当に重要なことは刻まれない」と振り返るのはユニ・チャーム(東京都/高原豪久社長)の二神軍平副社長だ。
たとえば、ユニ・チャームの場合、創業以来、最大の転機となり賭けになったのは、ある大手製薬業にOEM(相手ブランドでの商品製造)供給していた生理用品の生産をやめたことだという。
「売上の大半を占めていたOEM供給をストップして、ナショナルブランド1本に注力することはリスクがいっぱいあった。なにしろ代替の売上の見込みがつかないんだから」と二神さん。
ところが同社の社史には、女性→乳児→ペット→介護というマーケティングの変遷や新技術開発などのイノベーションの変遷はしっかり記されているものの、この大変な決定を下した事実には触れられていない。
「この決断をするまでに創業者の高原慶一朗会長がどんなことを考えたのかを伝えることが本当の社史だと思う」と二神さんは言い、「多くの企業にそういう陽の目を見ない社史があるのでは」と疑問を投げかけている。
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