夏の終わりの展示会考
社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(東京都/志村伊知郎会長)は、2011年8月25日から27日までの3日間、幕張メッセ国際展示場(千葉県)でJAPAN DIY HOMECENTER SHOW2011を開催した。
DIYに関係する幅広い商品を一堂に集める「住生活に関する総合展示会」であり、DIYの普及の場であるとともに、業界関係者の商談の場の提供と位置付けている。
今年度の出展数は364社、848小間。2010年度の438社、947小間と比較すると、74社、99小間減っている。3日間の来場者数は、7万8064人とこちらも1760人減だ。
JAPAN DIY HOMECENTER SHOWのみならず、商談の場などを提供する展示会は、年を追うごとに元気をなくしているものが多い。
その原因を私なりに分析すると以下のようになる。
ひとつは、寡占化が進んでいることだ。たとえば、ホームセンター業界の場合、2010年度の市場規模は3兆6322億円。そのうち上位10社の売上合計は2兆2200億円とシェアは61.6%に上る(『ダイヤモンド ホームセンター』誌 2011年9月号)。
寡占化が進んでいる業界の場合、メーカーや卸売業は、上位企業数社とのみ膝を詰めて商談すればいいわけで、展示会に出展するメリットは、それほど多くない。むしろ、出展費用を販売促進費に回した方が得策という考え方もある。
2つには、寡占化が進むにともない、上位に位置する小売業企業の担当者が会場を訪れなくなることだ。メーカーや卸売業が積極的に大手企業を訪問するようになるのだから、わざわざこちらから展示会をうかがう必要はない、という行動は理解できる。
3つには、業界自体が衰退トレンドに入っているケースだ。ホームセンター業界の場合は、2010年度の市場規模は4年ぶりに対前年度比1%増となっているが、年々縮小していく衰退業態の展示会には小売業のみならず、メーカーや卸売業も参加する気になれないだろう。
そして4つめは、主催者の問題だ。ただ漫然と毎年の恒例行事という理由から展示会を開催しても決してうまくいかないことは火を見るよりも明らかだ。
あの手この手を使い、訪問者を飽きさせない工夫とアイデアと努力が必要なのであり、それを抜きにしては、どんなに好調な業界であっても、その展示会は衰退の途を歩むことになるだろう。
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