「2013年度、売上高6兆円、営業利益2500億円」を達成するためにイオン岡田社長が戦略を語る

2011/05/20 13:27
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 タイトルも長いですが、中身も長いです。お時間のある時にお読みください!

 

 昨日、5月19日にイオン(千葉県/岡田元也社長)の株主総会が開かれた(@幕張メッセ)。以下では、岡田社長の経営方針説明を抄録する。なお、コンビニエンスストア事業とドラッグストア事業、専門店事業についての話はなかった。

 

 イオングループの2011年度の売上高は5兆1000億円、営業利益高は1750億円。これを2013年度に6兆円、2500億円にする中期経営計画を進める。今年は初年度に当たる。

 「1業態ワンブランド」「地域密着」「専業化」がキーワードになる。

 

 各事業別の取組をそれぞれ説明していくと、まず①GMS(総合スーパー)事業の現状は、イオンリテール(千葉県/村井正平社長)の8地域カンパニーとイオン北海道(北海道/植村忠規社長)、イオン九州(福岡県/岡澤正章社長)、イオン琉球(沖縄県/栗本健三社長)の3社の合計11エリアにおいて「イオン」の店舗名で展開。2兆6000億円を売り上げる日本のGMS企業では最大規模を誇る。

 しかしながら、これまでのような巨大な店舗展開では成長は限定されてしまうので、専門化とスピンオフをテーマにGMSの各部門別専門店を開発していきたい。

 具体的には、イオンリカ―が展開する酒類専門店、自転車、ペットなどの専門店づくりだ。深い品揃えと接客強化、PB(プライベートブランド)づくり、製造小売業(SPA)化を図り、商店街や駅ビル内への出店を加速させ、シェアアップを進めていく。

 

 ②スーパーマーケット事業は現在、15社で780店舗を「マックスバリュ」の店舗名で展開し、売上高は1兆円を超えるナショナルチェーンに成長した。

 中期経営計画では、日本国内の新規出店を年間50~70店舗のペースで進めていく。同時に中国・アセアンの出店も加速させていく。3カ年で120億円の営業増益させるためにマックスバリュ各社からプロジェクトメンバーを選出している。営業利益率は4%をねらう。

 

 ③ディスカウントストア事業は、「ザ・ビッグ」業態の構築にようやくめどがついた。1980年からマックスバリュ西日本(兵庫県/岩本隆雄社長)が実験的に開発してきた低価格、ローコストオペレーションをベースにするディスカウントストアだ。現在、約50店舗で約1000億円の規模がある。

 この「ザ・ビッグ」の水平展開を図っていく。食品は十分な競争力を持っていると自負しているが、課題となるのは非食品売場モデルの確立だ。肌着やペット、ペット用品、HBC(ヘルス&ビューティケア)など低価格の非食品売場をしっかり構築したい。

 2月に開業した「ザ・ビッグ エクストラ野洲店」(滋賀県)は衣食住フルラインを1万㎡で展開、売上高は改装前と比較して50%増と好調。黒字化を果たしている。

 ディスカウントストアは海外の新興国マーケットを狙えるので、まず非食品も含めたプロトタイプの確立を急ぐ。現在、全国で110店舗展開しているグループ内のさまざまな名前のディスカウントストアを「ザ・ビッグ」に業態転換し、新規出店と合わせて2013年度には200店舗体制にしたいと考えている。

 

 ④戦略的小型店事業は、現在180店舗超を展開している「まいばすけっと」の首都圏エリアでの出店のアクセルを踏み込む。「まいばすけっと」を首都圏戦略の柱にする。従来の東京都品川区、目黒区、世田谷区、大田区や神奈川県川崎市、横浜市に加えて、東京都の新宿区、港区、渋谷区への出店スピードを上げ、年間200店舗程度を出店していく。

 「まいばすけっと」専用のPBトップバリュも開発。2013年度には750店舗体制にする。

 

 そのPBの⑤トップバリュ事業は、収益性の向上がカギだ。PB開発と販売は全世界的なトレンドなのでこれをしっかりと進めていく。

 トップバリュは、通常の「トップバリュ」に加えて、選りすぐり商品の「トップバリュ セレクト」、より低価格の「ベストプライス by TOPVALU」の3層構造での展開を図る。

 今後は、それに加えて、各業態別のトップバリュ、各地域別のトップバリュを開発する。

 年間10億円を販売する“新ジャンル”「バーリアル」のような商品を300品目はつくりたい。2013年度には現在グループ売上高構成16のPB比率を40%にまで引き上げる。

 

 ⑥ディベロッパー事業は、イオンリテール内にあったディベロッパー事業をイオンモール(千葉県/岡崎双一社長)と統合した。今後、ショッピングセンター(SC)名は「イオンモール」で統一。徹底した国際化に乗り出し、とくにアジアでの出店を加速させる。

 日本の人口1人当たりのSC面積は米国の5分の1に過ぎないので日本国内の出店も注力する。また既存SCの活性化を図ると同時に4月29日に開業した「イオンレイクタウン アウトレット」(埼玉県)のような新業態開発にも取り組んでいく。

 

 ⑦サービス事業は、マンションの総合管理や生活支援管理など新しいコア事業の確立を図っていきたい。実際に、イオンディライト(大阪府/堤唯見社長)は、ファシリティマネジメント事業を展開しているが、生活者支援事業のカジタク(東京都/澁谷祐一社長)を買収するなど新しい展開を見せている。 

 

 最後の⑧総合金融サービス事業は、銀行、クレジットカード、電子マネー、保険のサービスをすべて網羅している稀有な金融企業グループになっている。イオン銀行(東京都/片岡正二社長)の四半期黒字化も達成している。海外の中産階級もねらっていきたい。

 2013年度には130億円の営業増益を達成したい。

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