少年老い易く、学成り難し
学生のころは、部活動やゼミナールの飲み代がかさみ、いつもすっかんぴん。書店で書籍を買う金がなかった。だから、本はもっぱら図書館で借りるか、古本屋で購入するかのどちらかだった。話題の新刊をすぐに手にとって読めるような状況ではなかった。
社会人になると懐事情は、少し改善されるが、それでも若いときの薄給は当たり前。本は相変わらず大好きだったけれども、図書館に行く時間を確保することは難しくなり、代わりに相対的に割安な文庫本の新刊が読書の主流になった。裏表紙にある値段と財布の中にある現金を見比べながら、やっとの思いで購入するという時期が続いた。
新刊の単行本を値段を確認することなく購入するようになれたのは、ほんの10年ほど前からである。クレジットカードで買うことができるようになったことも大きいし、アマゾンドットコムの開業で重い荷物として本を自宅に運ばなくてもよいようになったことで読書環境は圧倒的に改善された。
欲しい本を欲しいだけ購入して読めるようになってから7年くらい――。
ところが人生とは、なかなかうまくいかないものである。
今度は、目だ。約3年前から、遠視(=老眼)が一気に進み始め、もはや薄暗いスペースで活字を読み込むことはできない身体になってしまった。新聞はもちろん、文庫本の文字級数もきつい。
振り返ってみると、好き放題に好きな本を読むことができる時間はあまりにも短い。
まさに、「少年老い易く、学成り難し」。若者諸君は、夏休みが終わったら、また勉強に励みましょう!
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