ユニクロ、しまむらに現状打開のヒントがある
矢野経済研究所(東京都/水越孝社長)の調べによると2010年の国内カジュアルウェア小売市場の規模は5兆8406億円で対前年比1.9%減となった。マイナスは2年連続となる。
同市場は2000年に6兆円の大台に乗せて以来、微増傾向を維持していたが、リーマンショック翌年の09年に対前年比10.8%減と大きく落ち込んで6兆円を割った。
10年はマイナス幅は縮小したものの、セールの長期化や頻度の増加などもあって客単価が低迷しており、本格的な市場回復には至っていない。
カジュアルウェアのうちジーンズカジュアルウェアの小売市場規模は10年が1兆1594億円で対前年比2.9%減とこちらも2年連続の減少。2009年ごろに話題となった“990円ジーンズ”を始めとする低価格ジーンズの登場により、同市場は価格競争に陥っている。
販売チャネル別では、2009年から2010年にかけてシェアを伸ばしたのは「通販」チャネルのみ。2010年における同チャネルの構成比は4.9%となり、ついに百貨店チャネルを超えた。
サマリーを追って行くと、国内カジュアルウェア小売市場とは、日本の小売市場の縮図であることが分かる。
ということは、ユニクロ(山口県/柳井正社長)やしまむら(埼玉県/野中正人社長)など、この市場の勝ち組企業の戦略に、すべての小売業者にとっての現状打開のヒントがあると言っていい。
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