夏休み特別企画 ウォルマートに打ち勝つ経営(4-3)
では、“王者”との競合に打ち勝ち、企業を存続させるために、なにをすべきなのだろうか?
フィリップ・コトラーは、市場占有率に基づき、企業を①マーケットリーダー、②マーケットチャレンジャー、③マーケットフォローワー、④マーケットニッチャーの4つに分類している。
まず、“王者”の企業に真っ向から挑むという意味において、②マーケットチャレンジャーになるという選択肢が考えられる。だが、規模が一定水準を満たしていない企業は、シェア拡大を目的に“王者”に対して、積極的な攻撃を仕掛けることは、物理的に難しいので、これが可能な企業は十指に満たない。
そのなかで、ほとんどの企業が採っている方針は、③マーケットフォローワーだ。ただひたすら何もせずに静かにリーダーの後を追うというものだ。しかしながら、仮に“王者”が全国制覇を狙い、いずれ自社のドミナントエリアにも、参入してくるとなれば、何もしないことは、「座して死を待つ」政策に等しい。自社が扱う同じ商品を、“王者”に安価で提供されてしまえば勝ち目はないからだ。
④マーケットニッチャーの隙間狙いにはうまみが残る。流通業界には、「ホームファッション」、「ホームインプルーブメントストア」、「バラエティストア」、「実用衣料」と4つの“小売業空白地”があり、④マーケットニッチャーを志向し、その分野で“王者”になる商売替えである。
(明日に続く)
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