「駅伝発祥の地」京都・三条大橋、老舗食堂の看板メニュー「皿盛」とはどんな料理なのか
和風要素を取り入れた看板メニュー「皿盛」
「お次の方どうぞ」と声をかけられ中へ。運良く店内を見渡せる窓際の席を確保できた。お品書きをちらと確認したが、すでに注文するのは決まっている。この店の看板メニューのひとつ「皿盛(さらもり)」、そしてビール。なお、もうひとつの看板メニューは「中華そば」で、このツートップをセットで頼む人も少なくない。

料理が来るまで周囲を観察すると、利用客が多様だということが分かった。地元の常連客も多い一方、ランチ利用の会社員、また近年はネットの普及により京都以外からのお客も見られる。私の左隣に座った年配夫婦も旅行客だった。
あらためてこの「篠田屋」について説明すると、創業明治37年(1904年)の食堂だ。冒頭に触れた日本初の駅伝が開かれたのが1917年で、発祥地との距離は100mほどなので、選手はじめ関係者が利用した可能性も十分考えられるのである。
そうこうしている間に、私の目の前に届けられたのがこれ。

どうです、おいしそうでしょう。ごはんの上にこんがり揚がったトンカツ、そこに黄金色ながら半透明の“あんかけ”風カレーがかかっている。店の説明書きには、「カレーうどんのルー」とあり、だしを効かせて和の要素を取り入れているようだ。オリジナルメニューで、「皿盛」という名前も風情があっていい。

早速いただく。スプーンを手にまずはカツにカレーのルーを少しつけ、食べる。薄く、カリッとした食感がたまらない。ビールがいくらでも飲める感じの味わいである。なおカレーは見た目よりもスパイシーである。

続いて、ごはん、カツ、ルーを一気にすくって口へ。お〜!これはおいしい。再びビールを飲んだ後、次々と食べ進め、そしてフィニッシュした。
飲食店がおいしい料理を提供するのは重要だが、さらに「オリジナル」があると強いと改めて感じた。他の店にはない味を工夫することで、固定客の獲得、他店との差別化に強い武器となるためだ。入口を見ると、依然として行列ができている。身支度を整え、私は満足な気持ちで店を出た。
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