まさに“スター”揃い! 地元民の心をつかんで離さない、京都の名物洋食「ピネライス」とは

2023/05/03 05:50
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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「ピネライス」は、京都で高い人気を誇る洋食の名物料理。実は私も定期的に食べるファンの一人である。しかし、京都には競合する魅力的な食べ物がいくらでもあるので、他府県での知名度は決して高くない。この現状を憂い、今回、地元民の心をつかんで離さないユニークな料理を実食レポートする。

京都で大人気のピネライス。チャーハンの上にポークカツレツを乗せ、さらにカレーソースをかけている

3種類の主役を一度に味わえる

 京都市中心部の烏丸エリアは、銀行や証券会社といった金融機関、また有力企業のオフィスが集積するビジネス街。そこから東へほど近い場所にあるのが洋食店の「キッチンゴン」である。

 同店Webサイトによれば、創業は1970年。先代の権藤吉彦氏がアメリカで修行後、二条城の北側、京都市上京区に小さな店を開いたのが起こり。2017年3月、京都の中心部で新設したのが現在の本店(同中京区)だ。なお店名にある「ゴン」は、権藤氏の最初の文字に由来する。

創業1970年の「キッチンゴン京都六角本店」

 この店で圧倒的な人気を誇るのが、今回紹介する「ピネライス」。京都ではほとんどの人が知っている名物料理(だと、私は思っている)。誕生したのは昭和というから、少なくとも35年以上の歴史がある計算になる。

 ピネライスと聞いても、どのようなメニューなのかピンとこないかもしれない。実はシンプルで、チャーハンの上にポークカツレツを乗せ、さらにカレーソースをかけたものである。

メニューには「昭和生まれのピネライス」。商標登録済みのようだ

 チャーハン、ポークカツレツ、カレーと言えば、どれも嫌いな人はいないだろう。大抵の人なら好物と答えるのではないか。とくに子供にとっては大ごちそうであり、それぞれ単品の食事としても成立する。つまり食卓では、十分に主役として通用する“スター”料理。それら3種類を、一度に味わえるのがピネライス最大の魅力である。

 そこで思い出されるのは、今春、野球世界一を決めるWBCで、見事、優勝を果たした侍ジャパンだ。

 同チームには、米大リーグで活躍する大谷翔平、ダルビッシュ有、さらに昨年、日本人選手として王貞治氏が持つホームラン記録を58年ぶりに更新した、「村神様」こと村上宗隆選手はじめ、スターが名を連ねていた。われわれは、毎試合、次から次へと惜しげもなく登場するスター選手のプレーに酔いしれた。

 こう考えると、スター料理揃いのピネライスは、「京都洋食界の侍ジャパン」と言えるのではないだろうか。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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