大地を守る会代表取締役社長 藤田 和芳
有機栽培野菜へのこだわりを武器に事業拡大めざす

2014/03/03 15:00
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技術力のある農家を囲い込む競争が始まる

──ネットスーパーなど食品宅配の市場の今後をどう見ていますか。

 

藤田 日本の人口が減少していくので、食品の市場規模は縮小するでしょう。しかし宅配についてはまだ伸びると思います。競争は厳しくなるでしょうが、店舗で購入していた方々のネットシフトに大きな潜在性があると考えるからです。

 

 

──日本ではかねてより有機野菜が注目されてきましたが、市場規模はなかなか拡大しません。どう見ていますか。

 

藤田 確かに、まだまだ市場は小さいです。しかし、人々の関心は高く、これから伸びる余地はあると思います。食品の偽装表示や、中国の冷凍ギョーザ事件などが話題になるたびに、当社の会員数は増えました。

 

 大手新聞社が「有機野菜を食べたいですか」とアンケート調査を実施したところ、回答者の8~9割が「食べたい」と答えたという記事を先日読みました。しかし、有機野菜はまだ値段が高いこともあり、ふだんは購入しない人々が多いのが現状です。

 

 市場が拡大しないのは、農林水産省の有機JAS認定を受けるためには、手間と時間がかかるからだと考えています。生鮮食品や加工食品を「有機JAS認定」と記して販売できるのは、3年間、農薬や化学肥料を使用しないことなどの基準をクリアしなくてはなりません。しかし、農家も生活がありますから、認定を受けるまで3年間も待つことはできないし、認定されても売れる保証がない。農家から見れば、有機野菜を生産したくなるような制度が整備されなければ、有機野菜の市場拡大は進まないかもしれません。

 

 ただ、この有機JASの認定基準を満たさなくても、販売元が独自の基準を設けて安全・安心を担保した野菜は多く流通しています。

 

 当社でもJAS認定を得た有機農産物は全体の26%にすぎません。栽培期間中に農薬不使用を確認したうえで販売する野菜が74%を占めています。

 

──今後、有機野菜のマーケットに変化が生じる可能性はありますか。

 

藤田 日本がもしTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加すれば、海外から輸入される商品が大量に出回ることになります。これに対し、安心して食べられる国産の有機野菜を求める人々が増えてくると考えます。

 

 そうなれば、優れた農産物を生産する技術を持つ農家を囲い込む競争が始まるでしょう。当社は35年以上、農家と協力して安全・安心を保証できる農産物を販売してきました。今後も品質が高く、おいしい商品を提供できる強みを発揮できると考えています。

 

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