シジシージャパン CGCグループ代表兼社長 堀内淳弘
家庭での料理を支援し、食品スーパーの存在意義を発揮する!
──具体的にはどんな活動ですか。
堀内 CGCグループでは、朝食を食べることを推進するキャンペーンを、20年前から開催してきています。6、7年前からは、関東地区を中心に農業体験や工場視察など食育の企画を実施しています。そのほか、さまざまな食育活動を行っています。
CGCの基本姿勢は、家庭での料理を支援することです。
1983年から料理情報誌『ふれ愛交差点』を発行しています。メンバー179社で合計100万部以上が毎月配布されています。この中で、1カ月分の毎日のレシピを紹介したり、昨年3月から「タニタ食堂」監修のオリジナルレシピを掲載したり、毎号約60品の料理とレシピを紹介しています。情報誌は、店舗で無料配布されるだけでなく、レシピと関連商材を連動させたり、メニュー提案に役立てたりと、メンバー各社で工夫して活用しています。
さらに、今年から「弁当の日」の普及に力を入れるつもりです。昨秋、「子どもだけでつくる『弁当の日』」を提唱されている竹下和男先生の本に出合いました。竹下先生は香川県の小学校と中学校で校長をされていたときに、子どもたちだけで弁当をつくって学校にもってくる日をつくった方です。
最初は父兄や教師の反対にあい、いろいろな問題にも直面します。しかし、多くの人の理解と協力を得て、最終的には弁当の日を実現させます。すると、親子の会話が増えたり、学校でのいじめが少なくなったり、いい効果がたくさん生まれたというのです。
10年以上前に始まった「弁当の日」の活動は今、全国の小中学校に広がりを見せていて、現在1100校を超える学校が実施しています。
食は非常に重要です。家庭料理には親の愛情が注ぎ込まれています。それを、簡単で便利な商品ばかりで済ませてしまうと、大げさではなく、家庭の崩壊につながりかねません。料理をしない親に育てられた子どもは料理をしない親になります。
「弁当の日」に自分で食材を買い、台所に立つことを通して、子どもは食や調理に興味を持ち、食材の旬や、生産者の苦労や親の有難味がわかるようになります。それが、自立した生活を送ることにつながるのです。
今、給食や「弁当の日」など、学校はいろいろなかたちで努力されています。それをメンバー各社にも伝え、「弁当の日」の普及しようと、CGCメンバー、お取り組み企業のトップ718人が集まった今年1月の「新春総会」で、竹下先生の著書を紹介したところです。