HBCとは？今注目のHBCについて、実例を交えて徹底解説！
HBCとは
HBCとはHealth and Beauty Care（ヘルス・アンド・ビューティケア）の略語で、家庭での病気治療、健康や美容のために用いられる商品および行動を意味する。別名でHBA（Health and Beauty Aid）と呼ばれることもあるが、今日ではHBCが使われることが多い。なおAidとは、援助や救援、助力などを意味する。
高齢化による健康寿命やアンチエイジングへの関心の高まり、さらに国が推し進めるセルフメディケーションや生活の質を高めるQOL（クオリティ・オブ・ライフ）活動により、健康が持つ意味合いに広がりが生まれてきている。その流れの中で、新しい健康意識と美容意識を合体させたHBCという言葉が、広く使われるようになった。
ヘルスケアとウェルネス
近年では健康を表すヘルスケアに加え、ウェルネスという言葉が広く使われ始めている。この言葉の概念は、米国のハルバート・ダン医師が提唱した「輝くように生き生きしている状態」である。わが国は施策として、「健康日本21」を推進している。その目指すところは健康寿命の延伸とQOL（生活の質）の向上であり、単に病気や障害の有無で健康を考えるのではなく、生きがいや心の豊かさ、尊厳を持った生活をウェルネスとして定義している。
今、HBCやウェルネスをキーワードにして、商品やサービス市場へ参入する事業者が増加している。わが国の業界としては、ともにまだ明確な定義づけはされておらず、参入事業者の自主的な判断に任されているのが現状である。
HBC商品の種類と市場
HBCには医師の処方箋を必要としない一般用医薬品、化粧品、オーラルケアや身体を健全な状態に保つパーソナルケア用品、サプリメントを含む様々な健康食品などがある。その他にもダイエットやフィットネス、衣類や生活環境を清潔で快適に整えるための雑貨類まで、幅広いサービスを含む商品群で構成されている。
世界ウェルネス機関の概念では、ウェルネス市場はヘルスケア市場を包括する。医療機関によるオーダーメイド医療、ウェルネスツーリズム、メンタルサービス、スパや温泉施設なども含む場合もあり、リラクゼーションや、メンタル面までカバーする広大な市場と規定している。
HBC市場参入のメリット
HBC市場参入のメリットは、参入障壁の低さである。社会的なHBCに対するニーズの高まりが続いており、新商品が市場に受け入れられ易い環境があるためだ。また参入に際しては、ネット通販での販売が一般化しており、最短プロセスで販売が可能である点もメリットとなる。
HBC市場参入のデメリット
参入障壁の低さから、競争が激しくなりがちなデメリットもある。また、HBC商品は健康に関わる商品のため、事業者としての信頼性が重要である。商取引に関する法律や商品機能の表示方法を誤ると、重大な企業イメージのダウン、デメリットとなる。関連する法令には薬機法（医薬品、医療機器等に関する法律）、景品表示法（不当景品類及や不当表示）などがある。
実例
HBCには、様々な事業種からの参入が見られる。ここでは医薬品メーカーのロート製薬、食品総合卸の伊藤忠食品の例を紹介する。
ロート製薬
1949年に設立されたロート製薬（大阪府）は、目薬と胃腸薬で事業を発展させている。1975年には外皮用剤のメンソレータム、以後日焼け止めや妊娠検査薬、健康食品と商品ラインを拡充している。2000年に入り、スキンケアブランドや特定保健用食品の発売を契機に、HBCを事業分野として立ち上げた。
伊藤忠食品
伊藤忠商事（東京都）の系列である伊藤忠食品（大阪府）は、全国約4,000社の酒類・食品メーカーから仕入れ、約50万アイテムを全国約1,000社の小売業などへ販売している。多種多様な商品を取り扱う中で、マーチャンダイジングの柱として「酒類」、「ギフト」、「ヘルス＆ビューティ（HBC）」に注力をしている。
HBCとして取り扱っているのは、天然成分のオールナチュラル食品、オーガニックやヴィーガン、フェアトレードなどの認証食品類である。また自社で選定した、サステナブルフード、美容および健康をコンセプトとする商品も取り揃えている。
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