中国輸出、12.7%増に急拡大=トランプ氏警戒で駆け込み―10月
【北京時事】中国税関総署が7日発表した10月の貿易統計によると、輸出は前年同月比12.7%増の3091億ドル(約48兆円)だった。伸びは前月(2.4%増)から急拡大し、2022年7月以来2年3カ月ぶりの大きさ。米大統領選でトランプ前大統領が再選すれば、中国製品に高関税が課される恐れがあるとの警戒感から、駆け込み輸出が膨らんだ可能性がある。
輸出のプラスは7カ月連続。国・地域別では、米国向けが8.1%増。10月末に中国製電気自動車(EV)に対する関税を大幅に引き上げた欧州連合(EU)向けは12.7%増えた。日本向けは6.8%増。
一方、輸入は2.3%減の2133億ドルと、4カ月ぶりのマイナス。不動産バブル崩壊に伴う景気の冷え込みで、内需の低迷が長引いていることが要因だ。日本からの輸入は0.8%のプラスだった。
5日投開票された米大統領選では中国製品に60%の関税を課すことを公約に掲げたトランプ氏が勝利した。実際に関税が適用された場合、米中貿易は約7割減り、中国経済に大きな打撃になるとの試算もある。