財務省が8日発表した8月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同月比65.8%増の3兆8036億円の黒字だった。黒字は19カ月連続で、単月として過去最大。配当金や利子収支を示す第1次所得収支の黒字額も過去最大となり、全体を押し上げた。
第1次所得収支は28.5%増の4兆7006億円の黒字。自動車などの海外子会社からの配当金が増えたことが寄与した。海外金利の上昇で債券利子の受け取りも増えた。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3779億円の赤字(前年同月は7552億円の赤字)。輸出額は6.2%増の8兆3888億円、輸入額は1.3%増の8兆7668億円。医薬品や石油製品の輸入が大幅に増えたものの、半導体等製造装置などの輸出が好調で、輸出額の伸びが輸入額の伸びを上回り、赤字幅は縮小した。
輸送や旅行などのサービス収支は1049億円の赤字(同3019億円の赤字)。訪日客の増加で、旅行収支が8月として過去最高の4045億円の黒字となり、サービス収支の赤字幅が縮小した。