青森県の老舗百貨店「中三」、破産手続き開始、負債9億円
青森県で百貨店を運営する中三(青森県)は8月29日、青森地方裁判所弘前支部から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。負債総額は債権者278名に対して約9億円にのぼる。
同社は1896年に五所川原市で呉服店「中三」を創業し、その後、弘前店、青森店、盛岡店、秋田店を展開。ピーク時の1998年8月期には約415億9200万円の売上高を記録した。しかし、大型ショッピングセンターとの競争激化や景気低迷が影響し、売上高が減少。五所川原店と秋田店を相次いで閉店し、2011年3月には盛岡店でガス爆発が発生し、休業を余儀なくされた。
2011年3月30日には民事再生法の適用を申請し、同年7月には投資ファンドとスポンサー契約を結び、2015年2月に民事再生手続が終結。2016年10月にはMiK(青森県)の傘下となり、本格的な再建を進めていた。
近年では青森店と弘前店の2店舗で運営を行っていたが、建物の老朽化や競争激化、コロナ禍の影響が業績を圧迫していた。2023年8月期には売上高が約17億2300万円に減少し、連続赤字から債務超過に陥っていた。資金繰りも逼迫し、取引先への支払遅延など信用不安が広がったため、事業継続が困難と判断され、破産申請に至った。