内閣府が15日発表した2024年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.8%増、この成長が1年続いた場合の年率換算で3.1%増だった。2四半期ぶりのプラス成長。一部自動車メーカーの認証不正に伴う生産停止の影響がなくなり、個人消費が回復し、設備投資もプラスになるなど内需がGDPを押し上げた。
名目GDPの実額は年換算で607兆9037億円と初めて600兆円を突破した。500兆円台に乗せたのが1991年10~12月期で、32年半ぶりに新たな大台に到達した。15年に当時の安倍晋三政権が掲げた目標を達成した形だが、実質ベースの伸びは小さく、物価上昇の影響が大きい。
内需の柱となる個人消費は前期比1.0%増と5期ぶりのプラス。自動車の購入が持ち直したほか、外食などの支出が増加した。設備投資も自動車関連の支出増で0.9%増となった。公共投資は4.5%増と4期ぶりに増加した。
輸出は自動車を中心に増加し、1.4%増と2期ぶりに増加に転じた。輸入も1.7%増と2期ぶりのプラス。業務用コンピューターなどが増えた。
物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比1.8%増、年率7.4%増だった。
◇4~6月期のGDP速報値
▽実質成長率 0.8 年率 3.1
▽寄与度 内需 0.9 外需 ▲ 0.1
▽主要項目 増加率 寄与度
個人消費 1.0 0.5
住宅投資 1.6 0.1
設備投資 0.9 0.2
民間在庫 ― ▲ 0.1
公共投資 4.5 0.2
輸出 1.4 0.3
輸入 1.7 ▲ 0.4
▽名目成長率 1.8 年率 7.4
▽GDPデフレーター 3.0
(注)数字は%。民間在庫は寄与度のみ。GDPデフレーターは前年同期比でその他は前期比。▲はマイナス