上半期の経常黒字12.6兆円=貿易赤字縮小で17年ぶり高水準
財務省が8日発表した2024年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は12兆6817億円の黒字だった。前年同期比59.2%増で、上半期としては07年の12兆6993億円に次ぐ過去2番目の高水準。自動車などの輸出が伸び、貿易赤字が縮小したほか、訪日客の増加で旅行収支が過去最高だった。
貿易収支は2兆6118億円の赤字(前年同期は5兆1820億円の赤字)。自動車のほか、半導体製造装置などの輸出も好調で、輸出額の伸びが輸入を上回り、赤字が減った。
輸送や旅行を含むサービス収支は1兆7511億円の赤字だった。うち旅行収支は、訪日客数が1.6倍に増加したことで2兆5939億円の黒字となり、半期ベースで過去最大を更新した。
企業が海外から受け取る配当金の収入などを示す第1次所得収支は10.0%増の19兆1969億円と半期ベースで過去最高。海外金利の上昇で外国債券の利子収入が伸びた。
同時発表された6月の経常黒字は前年同月比0.9%増の1兆5335億円。貿易収支が3カ月ぶりに黒字に転換した。