内閣府が15日発表した2023年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.1%減、この成長が1年続いた場合の年率換算で0.4%減だった。マイナス成長は2四半期連続。23年通年では、国際比較に使われる名目GDPがドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落した。
23年10~12月期の実質GDPの内訳は、過半を占める個人消費が0.2%減、設備投資は0.1%減と、いずれも3期連続のマイナス。昨年の春闘での賃上げは30年ぶりの高水準となったが、物価高を背景に実質賃金が低迷したほか、コロナ禍の緩和を受けた需要回復が一服し、内需が圧迫された。
23年通年の実質GDPは前年比1.9%増で、3年連続のプラス成長となった。
23年通年の名目GDP実額は米ドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツ(4兆4561億ドル)を下回った。
▽23年10~12月期のGDP速報値
◇実質成長率 ▲ 0.1 年率 ▲ 0.4
◇寄与度 内需 ▲ 0.3 外需 0.2
◇主要項目 増加率 寄与度
個人消費 ▲ 0.2 ▲ 0.1
住宅投資 ▲ 1.0 ▲ 0.0
設備投資 ▲ 0.1 ▲ 0.0
民間在庫 ― ▲ 0.0
公共投資 ▲ 0.7 ▲ 0.0
輸出 2.6 0.6
輸入 1.7 ▲ 0.4
◇名目成長率 0.3 年率 1.2
◇GDPデフレーター 3.8
(注)数字は%。民間在庫は寄与度のみ。GDPデフレーターは前年同期比でその他は前期比。▲はマイナス