11月経常黒字1.9兆円、過去最大=資源高一服、貿易赤字が半減―財務省
財務省が12日発表した2023年11月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は1兆9256億円の黒字だった。黒字は10カ月連続。資源価格の高騰が一服し、貿易赤字が縮小したことなどが要因。11月として過去最大の黒字幅となった。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7241億円の赤字で、前年同月から赤字幅が半減した。輸出は8兆6239億円と前年同月比4.5%減少。輸入は、石炭や液化天然ガス(LNG)などのエネルギー資源の輸入額が大幅減となった影響で、11.4%減の9兆3481億円だった。
サービス収支は、訪日客増加による旅行収支の黒字幅拡大が寄与し、247億円の黒字(前年同月は1245億円の赤字)に転じた。
配当金や利子の収支を示す第1次所得収支は2兆8949億円の黒字。前年に海運業の業績が好調だった反動で20.3%減となったが、11月としては前年に次ぐ過去2番目の水準だった。