中国、11月も輸出低水準=半導体原料、規制強化が影響
【北京時事】中国税関総署が20日公表した11月の貿易統計の詳報によると、半導体の原材料となるレアメタル(希少金属)のガリウムとゲルマニウムの輸出量は合計で約2.3トンだった。前月(0.9トン)から急増したものの、前年同月と比べると依然5分の1の低水準。中国政府は8月から輸出規制を強化しており、輸出は滞ったままだ。
ガリウムは1.5トン、ゲルマニウムは0.7トンをそれぞれ輸出。ガリウムについては日本向けが最多だった。ただ、日本や米国向けに関しては「引き続き厳格な審査が行われている」といった情報も出ている。
一方、リチウムイオン電池の原材料となる黒鉛(グラファイト)の輸出量は急増した。主要な黒鉛の中には前月と比べて3割以上増えたものもある。
中国政府は12月から黒鉛の輸出規制を強化しており、業界では「数カ月は輸出が止まる」といった見方が広がっている。各国は規制が強化される前に在庫の確保を急いだもようだ。