財務省が20日発表した11月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7769億円の赤字となった。赤字は2カ月連続。資源価格の高騰が一服したことを背景に輸入が減少し、赤字幅は前年同月の2兆576億円から大幅に縮小した。
輸入は前年同月比11.9%減の9兆5965億円。石炭が48.0%、液化天然ガス(LNG)が34.1%それぞれ減った。
輸出は0.2%減の8兆8196億円と振るわず、3カ月ぶりに減少した。鉄鋼がアジア向け、欧米向けともに落ち込み、11.6%減。半導体製造装置は台湾向けが低調で10.6%減少した。半導体など部品の供給不足が和らいだ自動車は16.3%増えた。米国向けハイブリッド車(HV)などが伸びた。
国別の貿易収支は、対米国が8043億円の黒字。対中国は6540億円の赤字だった。東京電力福島第1原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置によって、中国への食料品輸出は60.3%減少した。
◇11月の貿易統計
輸出額 輸入額 差引額
総 額 88,196 95,965 ▲ 7,769
(▲ 0.2) (▲11.9) ( ― )
〔主要貿易相手別の内訳〕
中 国 15,962 22,503 ▲ 6,540
(▲ 2.2) (▲ 3.2) ( ― )
米 国 18,144 10,102 8,043
( 5.3) (▲ 3.5) ( 19.0)
E U 8,614 10,065 ▲ 1,451
(▲ 0.0) (▲ 6.6) ( ― )
(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。カッコ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず