ユーロ圏成長率、23年は0.6%=物価高響き下方修正―欧州委予測
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は15日、2023年のユーロ圏実質GDP(域内総生産)が前年比0.6%増になるとの見通しを発表した。物価高や外需の低迷が打撃となり、前回9月時点の予測(0.8%増)から下方修正した。
ジェンティローニ欧州委員(経済担当)は記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ情勢の悪化を踏まえ、「景気の下振れリスクが高まっている」と述べた。ただ、欧州経済は徐々に回復するとみており、24年のGDPについては1.2%増(前回1.3%増)に拡大すると予想した。
物価上昇率の見通しは、23年は5.6%と据え置いた。24年は3.2%とした。 主要国別の23年のGDP予想は、ドイツが0.3%減(同0.4%減)、イタリアは0.7%増(同0.9%増)。フランスは1.0%増で変わらず。
◇ユーロ圏実質GDP見通し
2023年 2024年
ユーロ圏 0.6( 0.8) 1.2(1.3)
ドイツ ▲0.3(▲0.4) 0.8(1.1)
フランス 1.0( 1.0) 1.2(1.2)
イタリア 0.7( 0.9) 0.9(0.8)
EU全体 0.6( 0.8) 1.3(1.4)
(注)上昇率、単位%。カッコ内は9月公表の前回予想。▲はマイナス