【北京時事】中国国家統計局が15日発表した10月の小売売上高は、前年同月比7.6%増加した。伸びは前月(5.5%)から加速。ただ、マイナス成長だった前年の反動という側面が大きい。不動産市場も低迷が続き、景気の先行き不透明感は根強いままだ。
中国では昨年10月、ゼロコロナ政策や共産党大会の影響で全国的に行動制限が強化され、小売売上高は5カ月ぶりにマイナス成長を記録していた。10月の鉱工業生産は4.6%増と、伸びは前月(4.5%)をわずかに上回った。
ただ、幅広い投資動向を示す1~10月の都市部固定資産投資は前年同期比2.9%増にとどまった。うち不動産開発投資は9.3%減と、マイナス幅は1~9月の9.1%から拡大した。中国では不動産不況が長期化し、中国恒大集団や碧桂園など多くの開発大手が経営危機に直面、消費者心理の冷え込みにつながっている。
10月の小売売上高のうち、消費の柱となる自動車は前年同月比11.4%増。一方、住宅需要を反映する建築・内装材料は4.8%減と、引き続きマイナスだった。