【北京時事】中国国家統計局が15日発表した8月の小売売上高は、前年同月比4.6%増加した。伸び率は前月を2.1ポイント上回り、4カ月ぶりに加速。ロイター通信の事前予想(3.0%増)も上回った。一方で、長引く不動産不況の影響で建築関連などは冷え込んだ。
小売売上高のうち、比重の大きい自動車は1.1%増。一方で住宅需要を反映する建築・飾り付け材料は11.4%減と2桁のマイナスとなった。鉱工業生産は4.5%増と、前月(3.7%増)を上回った。
また、同時に発表された幅広い投資動向を示す1~8月の都市部固定資産投資は前年同期比3.2%増(1~7月は3.4%増)と伸びが鈍化。うち不動産開発投資は8.8%減(同8.5%減)とマイナス幅が拡大した。
中国人民銀行(中央銀行)は金融緩和策で景気の下支えを図る方針を鮮明にしており、15日付で金融機関から預金を強制的に預かる比率を示す預金準備率を0.25%引き下げた。8月には実質的な政策金利に当たる最優遇貸出金利(LPR)の引き下げも実施。景気の先行きに不透明感が強まる中、政府は財政政策と金融緩和策を一段と加速していく方針とみられる。