内閣府が8日発表した4~6月期の実質GDP(国内総生産、季節調整済み)改定値は、速報値の前期比年率6.0%増から4.8%増に下方修正された。個人消費が引き下げられ、設備投資はマイナスに転落し、内需の弱さが目立つ結果となった。海外経済減速や物価高の継続は懸念材料で、日本経済の先行きに不透明感が漂う。
大きく下方修正されたのは企業の設備投資。速報値の前期比0.03%増から1.0%減に改められた。みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストは、海外経済の減速で製造業の機械関連を中心に投資が抑制され、好調だった非製造業でも反動が出た可能性があると指摘する。
個人消費の下振れも気がかりだ。食料品などが含まれる非耐久財が速報値より落ち込んだ上、コロナ禍からの回復が期待されたサービス消費もわずかなプラスにとどまった。酒井氏は、物価高で家計が節約志向を強めていると分析し、「内需に弱さが見られる」との見方を示す。
成長を支えた輸出についても、米国での利上げ長期化のほか、中国の不動産市場低迷に伴う海外経済の減速で下振れリスクがくすぶる。第一生命経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミストは、4~6月期GDPは輸入の大幅減が押し上げており、反動で7~9月期はマイナス成長に陥る可能性があると分析。長期的に景気の緩やかな回復傾向が続くと予測しているが、「力強さに欠け、あまり実感のない景気回復になる」とみている。