【北京時事】中国税関総署が7日発表した8月の貿易統計によると、輸出は前年同月比8.8%減少した。輸入も7.3%減。輸出が前年割れとなるのは4カ月連続。中国では不動産不況が内需を大きく圧迫しているが、景気を支えてきた外需の先行きにも不安が広がっている。
輸出入のマイナス幅は、いずれも2桁だった前月から縮んだ。ただ、7月は台風の影響で一部港湾が使えず、数値が落ち込んだとの指摘もあり、貿易の低迷傾向に変化はないとみられる。貿易収支は683億6000万ドル(約10兆円)の黒字だった。
中国の不動産市場は、開発大手の中国恒大集団で経営危機が明らかになった2021年ごろから冷え込み始めた。今夏には同業の碧桂園でも危機が判明。内需の冷え込みを背景に、輸入は6カ月連続で前年を下回った。
輸出は日本向けが20.1%減、米国が9.5%減、欧州連合(EU)が19.6%減、東南アジア諸国連合(ASEAN)が13.3%減と、主要国・地域がいずれも大幅なマイナスだった。一方、ウクライナ侵攻を受けて欧米の制裁対象になっているロシア向けは16.3%増加した。
1~8月の輸出は前年同期比5.6%減、輸入は7.6%減だった。