内閣府は14日、海外経済の動向を分析した報告書「世界経済の潮流」を公表した。中国経済について、新型コロナウイルスの影響緩和に伴い正常化が進む一方、不動産市況の低迷が継続。今後、不動産企業や地方財政の破綻で「景気の下押しが顕在化するリスクがある」と指摘した。過去最高水準で推移する若年層の失業率にも注意を呼び掛けた。
報告書によると、中国経済への影響が大きい不動産部門は、2023年6月の販売面積が前年同月比28.1%減。地方政府が依存する土地使用権譲渡収入も22年に前年比23.2%減となり、「一部ではデフォルト(債務不履行)が懸念されている」と警鐘を鳴らした。
また、中国都市部の若年層の失業率は、求人数の回復の遅れなどから23年6月に21.3%に到達。消費の停滞など短期的な影響に加え、生産性の低迷や出生率の低下など中長期的な影響にも注視が必要と指摘した。