23年上期、経常黒字8兆132億円=投資収益増、貿易赤字縮小で―財務省
財務省が8日発表した2023年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同期比11.1%増の8兆132億円の黒字だった。半期ベースでは21年上期以来4期ぶりに黒字幅を拡大した。海外の金利上昇により証券投資収益が増えたほか、資源高が一服し貿易赤字が縮小したことなどが主因だ。
貿易収支は5兆1788億円の赤字(前年同期は5兆6506億円の赤字)。資源価格の高騰が昨年と比べて落ち着いたことや、自動車の輸出が伸びた影響で赤字幅は縮小した。
企業が海外から受け取る配当金の収入などを示す第1次所得収支は5.4%増の17兆5286億円。
同時に発表された6月の経常収支は1兆5088億円の黒字だった。比較可能な1985年以降では、6月として07年に次ぐ過去2番目の水準だった。貿易収支が21年10月以来20カ月ぶりの黒字となったことなどが寄与した。