内閣府が17日発表した2023年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%増、この成長が1年続いた場合の年率換算で1.6%増となった。22年10~12月期がマイナスに改定されたため、プラス成長は3期ぶりとなった。コロナ禍からの経済活動の正常化に伴う個人消費の回復が景気の持ち直しを支えたが、輸出の低迷で力強さを欠いた。
同時に公表した22年度の実質GDP成長率は前年度比1.2%増と2年連続のプラスを確保したが、21年度(2.6%増)から伸び率は鈍化。1.7%増を見込んでいた政府経済見通しには届かなかった。
1~3月期は、内需の柱である個人消費が前期比0.6%増と4期連続のプラス。外出機会の増加で外食や宿泊などサービス消費が好調だったことに加え、供給制約の緩和で自動車の販売が回復した。
一方、輸出は4.2%減と6期ぶりのマイナス。統計上は輸出に分類するインバウンド(訪日外国人)消費が伸びたが、世界的な半導体市況の悪化を受けた半導体製造装置の落ち込みや自動車の減少などが響いた。設備投資は0.9%増と2期ぶりのプラスだった。
物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比1.7%増、年率7.1%増だった。